しかし、これらは法的には「肩書き」に過ぎず、所持していなくても診療科を標榜することは可能。(但し、麻酔科を標榜するには厚生労働省の許可を得なければならない。日本で医師の資格を規定する根拠となっている法は「医師法」であり、医師法第7条に「医師でなければ、医業をなしてはならない。」とある。古くは医療行為は医師のみで行われてきたもので、現在でも離島や過疎地では軽症患者に対しては医師一人だけで多くの診療科に対する医療行為を完結させる必があり、「医師」の資格により、全ての医療行為が完結できなければならない。よって「医師」が「検査ができない」「レントゲンが撮れない」「看護ができない」「透析ができない」「薬がせない」「リハビリテーションができない」などということは法律上はなく、実際これらの業務を医師が行っている施設も数多くある。しかし、現在医療は専門化・細分化しており、人の医師だけで全ての患者へ最善の医療を提供することは不可能と言わざるを得ない。したがって他の資格者も法により許可されている範囲での医療行為を行い分業することで、医師もより専門的な医療を提供することができる。事実、一定数の看護師、薬剤師等を配置しなければ、医師だけで病院を開設することはできない。また、医業=医療行為ではないため、医療法の定める医療提供施設での行為が医療行為であるとすれば、医師がすべての医療行為を行える訳ではない。医療行為以外でも、コ・メディカルの権限を完全に有しているわけではなく、それらの資格をすべて所持しているのと同等とは言えない。例えば以下のような行為が医師の資格では行えない。IT関連技術の進歩に伴いパソコンが急速に普及し、各医療機関ではレセコン(レセプトコンピュータ)だけでなく電子カルテも次第に普及しつつある。しかし、患者の重大な個人情報を取り扱うレセプト及びカルテであるだけに、個人情報漏洩事件が頻発する現在、周辺整備をなおざりにしたまま拙速にITを本格導入すれば、医療現場は混乱するのみならず、日本の医療が崩壊するとの指摘さえある。本来、診療を行う為に掛かるコストを支払う診療報酬にIT関連機器(レセコンや電子カルテ等)導入の為の費用は全く考慮されず、その全てを医療機関側が負担してきた。2005年、国は医療制度改革大綱にレセプトのオンライン化の義務化を盛り込んだが、2006年度の診療報酬改定でも初診料の電子化加算(3 点、30円に相当)を新設したのみで、約650億円と試算される財源については全く触れていない。誰でもインターネットを通じて様々な医学情報を容易に得られるようになり、ことに先端医療や新興感染症など最新の情報については、場合によっては医師と患者の知識の逆転現象さえ珍しくなくなった。従来、医師会等を通じてのみ情報を得ていた全国各地の医師同士も、各種掲示板、メーリングリスト(ML)を通じて横断的に双方向性に情報・意見交換できるようになった。学会等ではなかなか得られない臨床現場で役立つ医学・医療の経験・知識が、全国的に共有される意義は大きい。
1999年冬のインフルエンザ流行時、medpract-ML(実地医療研究ML)という医療系MLを通じてアマンタジンの有効性が初めて全国的に注目され、その後、迅速診断法や抗インフルエンザ薬などの情報も、医学会や医師会に先んじて様々な医療系MLに流れ、全国各地の医師同士の実体験が共有された。これを学問的に将来性のあるものに取りまとめたものとして、日本臨床内科医会のインフルエンザ全国調査研究:FLU・STUDY/JPAが注目された。治療だけではなく医療訴訟・待遇等についても話し合われることも多く、署名活動を行ったり、あまりにリスクが高い病院から医師が退職するきっかけにもなっている。日本医師会はこうした流れを察知して、インターネット生涯教育講座、医療安全推進者養成講座などをスタートした。様々な医学会からも講演会の映像配信や、ガイドラインのネット上公開などが行われている。近年では医学部に進学する女子が飛躍的に増え、29歳以下の若い医師は三人に一人が女性である。一方で、産・育児のバックアップ体制が整っていない面が多分にあり、仕事を続けながら産・育児が困難であり結婚・産とともに退職する女性医師もいまだ多い。しかし2006年頃より地方の医師不足が顕著になり始めた事により、産・育児により職場を離れた女性医師に対し働きやすい環境を整え、医療の場に戻す方策が始まりつつある。しかしながら、自らの私生活を犠牲にして患者個人と向き合う必のある医師という職業の特性上、特に個人で重い責任を持つ外科系には女性の勤務は厳しいのが現状である。患者側からも、産婦人科など一部の診療科を除き女性医師を忌避する傾向が見られるのも女性の就業を難しくしている一因である。日本には、医師の定年制や免許の更新制度は無い。68歳定年制のドイツ(後述)等また、70歳以上の高齢、又は運転能力に問題がある人の自動車運転を危険であると制限する運転免許更新テストと比べても、患者の命を預かり、運転手よりも大きな責任を持つと言われる医師の免許が能力、年齢と関係なく生涯持つことができるのは問題であるという意見もある。一方、日本では病院長は医師でなければならないなど、各種役職に医師の資格を求する法規制があり、実際に診療を行っていない役職の者でも医師の資格をする場合がある。一律に医師免許そのものに定年制を設けた場合、優秀な病院経営者を排除してしまう結果になりかねない。また、医師免許を取得して中央官庁の官僚となったいわゆる医系技官が病院などに天下りする際も、医師定年制は障害になる可能性がある。日本労働組合総連合会(連合)は保健医療に携わる保険医に定年制を設けることを推奨している。
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